ショートショートssTopicギャラリー1:創作ひろば「もな歌」

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[常設] ショートショートssTopicギャラリー1
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4 :ボウメ六段:2015/03/21 00:36:29 ←送る

 宴の終わり

私は宴が好きだ。皆が笑い、歌い、踊る。そんな素晴らしいひとときが大好きだ。
でも、宴はいつか終わってしまう。集まった人々もいつの間にかいなくなってしまう。
以前はそんな宴の終わりが嫌いだった。もっと長く続けば良いのに、と思っていた。


今は違う。
次の宴のために、宴は終わらなければならないのだ。
宴は終わるからこそ次の宴を楽しみに待つことができる。
大変だがどこか気分の高揚した宴の準備をすることもできる。

今日も宴が終わろうとしている。
誰もが「またね」と言って次の宴を楽しみにしている。

さて、私も次の宴まで楽しみに待つとしよう。
 
5 :iNAO五段:2015/03/21 00:44:45 ←送る

 ジ・エンド・オブ・ナンセンス

『ナンセンス。すなわち、馬鹿げた、くだらない、無意味なことを行ったものは問答無用で死刑』
  そんな、それ自体が馬鹿げていると思える法案が可決された国があった。
  ただ、告発制であったことから、法案を作成した議員と、可決した議員全員が死刑になった。
  法案を死刑にはできないので、今でも、法案だけは残っている。


9 :iNAO五段:2015/03/21 01:20:17 ←送る

 片目の男

 生まれつき右目の見えない男がいた。
  ある日、何を思ったか、どうせ見えないのならば両方の目を潰してしまえということで、左目を抉り取ってしまう。
  目の前の景色は大して変わらなかった。偶然にも右の目が見えるようになったためだ。
  左の目を抉って右の目が見えるならば、右の目を抉れば左の目が見えるはず。
  男はそう思い、右目を抉り取る。
  男は黒い闇に悩まされるようになった。


13 :Pearl五段:2015/03/22 01:26:59 ←送る

 問題

次の方程式の整数解を求め、w+x+y+zの最小値を求めよ。
92w+82x+52y+2z=410

郵便局の開いていない土曜日。
定形外郵便、速達。切手は貼られていない。
コンビニで切手を買ってそのままポストに入れるはずだった。
レジには可愛い女の子。研修中の名札を付けていた。この研修中の女の子を困らせることになってしまった。
「410円分の切手を下さい」
「はい、しばらくお待ち下さい」
恐らく彼女が初めて取り出したであろうファイルに、
あまりにも厳選されすぎた4種類の切手シート。
「…どうしましょう」
不器用な二人は、他の店を当たろうとも言えないでいた。
92円、82円、52円、2円切手を可能な限り少ない枚数で組み合わせて410円を作れ。
レジを挟んで考える二人。3分後、答えをどうにか出した。10枚の切手を貼れる程度のスペースはあった。許してくださいKさん、これ以外に方法はなかったのです。多分。

「ごめんね、迷惑かけちゃって。ありがとう。」
コンビニの店員にありがとうなんて言ったのは多分初めてだ。
「いえいえ、こっちこそごめんね。」
コンビニの店員にタメ口で話されたのも初めてだった。その後見せた彼女の照れ笑いに一目惚れしたのは言うまでもない。


20 :iNAO五段:2015/03/22 09:13:38 ←送る

 広告

 『四月一日。場所は、中央街四番町一丁目、サンエィビル四〇一号室。良ければ、どうぞ』
  男はそんな内容の広告を新聞社に送り、ナイフを持って自室で待機する。やがて、部屋のインターホンが鳴った。
  四月馬鹿か、それともお人よしか。
  何にせよ、広告の効果は偉大だと思いながら男はドアを開け、ナイフを自分の胸に突き刺した。
  鮮血がドアの前にいた利口な犬に掛かり、男は驚愕の表情を固定したまま絶命する。
  居たたまれなくなった犬は男の死体を引きずり、男の部屋の窓から投げ落とした。


22 :iNAO五段:2015/03/22 23:49:26 ←送る

 人造の時代

 手から、鉄の匂いがする。
  何故だろう。
  そう思って、もう一度匂いを嗅ぐ。
  間違いない。私の手から、鉄の匂いがする。
  何故だろう。どうしてだろう。
  両手を見るが、血は付着していない。ここ最近は、鉄に触るような仕事もしていない。
  なのにどうして鉄の匂いがとれないんだろう。
「ロッサム! 仕事の時間よ!」
  雇い主の私を呼ぶ声に、はっとする。
  そして、どうして鉄の匂いがするのかを、思い出した。
「呼んだらすぐに来なさい。この役立たずのロボット!」


23 :iNAO五段:2015/03/24 16:37:33 ←送る

 借り手

 手を貸してくれと言われて、頷いたら手を持っていかれる。そんな話が、昔流行ったことがある。
  それを聞いたとき、僕が思ったことは、手をどうするのだろうか、というものだった。
  その日、僕は買い物を済ませ、家に帰る途中だった。
  時刻は午後七時過ぎ。空は群青に染まっていた。季節柄、少し日は長かったが、それでも視界はすでに狭くなっている。
  すると、何かに躓き、買ったものを地面にばら撒いてしまった。しゃがみこみ、拾い集める。
「大丈夫ですか?」上品な女性のような声が背後から聞こえた。
「あ、大丈夫ですから」視線を下に向けたままで言う。「気にしないでください」
「手を、お貸ししましょうか」
  手を貸すという言葉に、思考が引っかかる。シチュエーションは逆だが、もしかしたら、手を押し付けられるということもある。体が少し緊張した。
「本当に、大丈夫ですよ」荷物を纏めて深呼吸をする。
  意を決して振り向いた。そこには、小さな三毛猫が一匹座っていた。
「本当に大丈夫ですか?」三毛猫は言った。耳が少し動く。「ほら、言うじゃないですか。猫の手も借りたいって」


24 :ちくわ@チーズ五段:2015/03/24 19:29:28 9781/.3←送る

 テスト返却

「今朝やった小テスト返却するぞー」
  先生がそう言うと、生徒達はすぐ教卓の前に列を作る。急にそわそわし出す者、自身満々の笑顔を見せる者、もう既に諦めている者。いろんな奴がいる。
  先生から答案を受け取って自分の席に帰ると、隣の席の奴に声をかけられた。
「なあ、今回のテストどうだった?」
「60点。まあまあだな。お前は?」
「それがだな、実は20点しかなかったんだ」
  彼は妙に不思議そうな表情を浮かべながら言った。
  実は、このテストは四択問題。適当に書いても期待値は25点だ。
「昨日は結構練習したのになあ」
「練習?何の?」
僕がそう聞き返すと、彼は自信たっぷりにこう言った。
「鉛筆を転がす練習を、小一時間ほどな」


25 :名無し六段:2015/03/24 23:13:39 ←送る

 別れ

昨日別れを済ませてきた。
君と会ったのは四年前だったね。
友人の紹介で君に出会って、見た瞬間から君の虜になった。
その日から、君といつも一緒だったね。
ディズニーランドに行ったり、グアムに行ったり。
その時の写真、今でも宝物だよ。

そんな楽しい日々も、昨日で終わってしまった。
正直言うと、今僕の隣には新しいパートナーが居るんだ。
君は薄々気付いていたかもしれないね。
このレスも新しいパートナーから書き込んでいるよ。
iPhone6でね。


27 :iNAO五段:2015/03/25 22:09:27 ←送る

 落ちる鳥は、飛ぶ鳥の幻想を見るか?

 天地創造の際、鳥に羽を渡す仕事を終えた天使は、人間に羽を渡す仕事を神から請け負った。
  しかし天使は羽を人間に渡すことができなかった。
  何故かって?
  貴重な肉である鳥を空へと飛ばした報いを受けて、頭をカチ割られたのさ。


28 :ジェンツーペンギン初段:2015/03/25 23:53:12 ←送る

この部屋にはいろんなものがある.箱を動かそうとして集めたものだ.
すぐに青くなる窓,かじられたりんご,枝分かれしたペンギンの置物,それに悪魔の魔法陣.
おれは依然として動かない箱の前で頭を抱えた


29 :ショボ-ン八段:2015/03/26 00:42:33 ←送る

あるところにAさん、Bさん、Cさん、Dさんがいました。
4人はホテルの部屋割りついて話しています。

A「Dと同じ部屋でもいいけど、BやCと同じ部屋は嫌だ。」
B「Aと同じ部屋になってもいいが、Cと同じ部屋になりたくない。」
C「Dと同じ部屋になるのは嫌だ。」
D「Bと同じ部屋になってもいいが、Aと同じ部屋になりたくない」

さて、部屋の人数が等しくなるように部屋を分けるにはどうすればいいのか。できれば、同じ部屋になってもいい、と言っている人と同じ部屋にしてやりたいものだ。
(同じ部屋になりたくない、と言っている人と同じ部屋になってはいけません)


33 :ボウメ六段:2015/03/27 01:10:11 ←送る

 人間

地球に生息する人間という存在は実に不可解だ。
生きるのに必要ないものばかり充実させようとする。
戻ることのない過去を探し、体験することのない未来を予想し、起こりえない空想に泣き、笑う。

生き残るために必要な情報をタブー扱いし、触れるようとするものを排除する。
生物としての使命を終えてもなお長く生き、最後はなぜか多くの人間に見送られる。
一番恐れているはずの死を目の前にして大半の人間は感謝し、幸せだったと言う。

全くもって不可解であるが、そんな人間は私なんかより毎日楽しそうに生きている。


34 :なのはな八段:2015/03/27 01:29:45 ←送る

 何が宝か

「世界一うまい飲み物は何だと、いつの日か世界の重要人物を集めて議論された。世界中の飲み物が集まるその場所で、さて、あのジュースがうまい。このお茶が一番だろう、あそこの山の水は最高だと、いくつも候補が挙がり議論された。それはもう長時間に渡る会議だった。いつになってもまとまらない話を、ある一言がその会議を終わらせた。「なにを言ったって、汗を流した労働の後に飲むビールが世界で最高の飲み物だろう。」と。あたりは時間が止まりまた動き始めたときにはそこにいる全ての人がそうだそうだ、その通りだと納得し会議は終わった。さて、俺はお前らに最高の飲み物を味わって欲しい。いいだろう?今度の飲み会に来てくれよ。」

「ああその日うちの猫が家に一人なんで早めに帰るので欠席でお願いします。」


35 :iNAO五段:2015/03/27 22:18:36 ←送る

 地平条約

 そりゃがんばったさ。
  大きく譲渡したさ。俺の体を使っても良いと。
  だが、その結果がこれだ。
  髪は切られ、肌は削られた。
  こちとら慈善事業でやってんじゃないんだよ。
  俺を崇めるって言うから、初めは承諾してやったんだ。
  それが今はどうだ?
  怒りに震え上がっても平気な顔。
  おまけに血液が飛び出しても平然としてるじゃないか。
  もう駄目だ。限界だよ。
  あいつらは増えすぎた。
  人間って言うらしいな。あんたらの言葉じゃ。


36 :なのはな八段:2015/03/28 02:51:29 ←送る

 あなぐらのピアニスト

昼間は仕事だから無理だし、夜もうるさくするといけないからピアノが弾けない。休みの日は朝から弾いてるけど、やっぱり平日も弾きたい。ずっとピアノが弾ければ嬉しいけど生活の為に我慢しなくてはいけないの。イヤホンつけてキーボードを弾く。思いついたときは神のお告げではないかと感じていた。
平日の夜はイヤホンをつけてカーテン閉めて、密閉された空間で無音の一人演奏会を開く。
「ああ、これを聴きたい人はいっぱい居るのではないか?」と思う。
そしてあなぐらのピアニストは一人ではないのかも・・・?
もしかしたら複数実際に居ると思う。なのはな。


37 :ボウメ六段:2015/03/29 23:25:32 ←送る

 魔法使いにあこがれて

魔法使いにあこがれていたら、突然魔法使いを名乗る少女が現れた。
またとない機会だと思い、その魔法使いに魔法を教えてくれと頼み込んだ。
魔法使いは「折角の機会だし、君のいる世界を案内してほしい」と言った。
そんなのお安い御用と丸一日かけて街中を案内してあげた。
魔法使いは目を爛々と輝かせていた。

次の日、いざ魔法を教えてもらおうとしたら、「私に教えられることは何もない」と言われてしまった。
理由を聞くと彼女はこう答えた。
「だってお金さえ払えばいつでも空を飛んで好きなところへ行けるし、呪文を唱えなくても火を灯すことができる。そして「すまほ」というものがあれば世界中の誰とでも顔を見て話すことができる。魔法なんかより便利な世界じゃない。」


38 :なす六段:2015/03/30 00:16:38 ←送る

買い物帰りの交差点で、車が炎上していた。白のBMWだったと思う。高いのに勿体無いないなあ、と思いながら眺めていた。
BMWって白が一番格好良いとぼくは個人的に思う。金持ちの知人はそれを知ってか親の金で買った真っ白なBMWを自慢していた。
傍で女がすすり泣いていた。車の所有者だろうか、いやその恋人だろうか。見覚えのないはずの後ろ姿に何故かデジャヴを感じた。
車が燃えるのをぼうっと眺めていたけれど、暫くして消防が来たら野次馬が急に減り始めた。ぼくはとぼとぼと商店街へ歩き出した。


39 :iNAO五段:2015/04/01 22:30:20 ←送る

 四月の嘘は甘い

 U氏は愚痴聞き屋である。子供の小遣い程度の料金で一時間ほど相手の話を聞く仕事だ。
  彼の聞き手としての才能は確かなもので、週末にもなると小さなテントに人が列を作る。
  カレンダで四月一日という日付を確認したU氏は、ほくそ笑む。今日は最も稼ぎ時だからだ。
  開店の看板をテントの傍に立てると一人目の客が入ってきた。
「いやあ。お久しぶりです」男は頭を下げながら椅子に座る。
「今日はいかがなされましたか?」
「実はですね。私、タイムマシンを作ることに成功したんですよ」
  そう言うと男は鞄から資料を取り出し、何やら理論の説明を始めた。それはきっかり一時間で終わる。
「どうでしょう?」男は資料を片付けながら訊いた。
  U氏は微笑む。「そうですね。良い嘘だと思いますよ。一瞬、信じてしまいそうになりました」
  男は頭を下げてテントを出ていく。あの調子なら大丈夫だろうとU氏は思う。
  U氏は仕事上、聞いた話は絶対に他人に漏らさない。そのことを知っている客は、彼を嘘の練習に使う。
  幾つもの優しい嘘を聞くことができるだろうと思いながら、U氏は次の客を呼んだ。


40 :iNAO五段:2015/04/08 22:34:36 ←送る

 初めての始まり

 科学者のM氏は研究に行き詰ると愚痴聞き屋に足を運ぶ。愚痴聞き屋とは、僅かな賃金で愚痴を聞いてくれる職業である。
  目印である紫色のテントを見つけてM氏が近づくと行列の中に桜色の髪をした女性がいた。
  咄嗟にM氏は背を向けてその場から離れる。M氏は彼女と交際しているのだ。
(一体、何を隠れる必要があるというんだ?)
  M氏は女性の前では冷静で理知的な振る舞いをしているつもりだ。つまり、そのイメージが崩れるのが怖いという心理が働いているのかもしれない。
  恐る恐る行列に視線を向けると女性の姿はなかった。見失ったかとM氏が目を凝らすと、背後から肩を叩かれる。
  振り向くとそこには桜色の髪をした彼女が立っていた。M氏は目を見開く。
「どうかされたのですか?」女性が言った。
「いや、この近くに愚痴聞き屋というものがあると聞いてね。ちょっと気になっただけだよ」M氏は早口で言う。
  すると女性が口元を手で押さえて笑った。
「私、Mさんを初めて見かけたのは、この行列ですのよ」
  彼女の言葉にM氏は苦笑するしかなかった。照れ隠しに頭を掻く。
「まったく、君には敵わないな……」



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